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2010年2月 1日 (月)

DVDを買う

こんにちは、栗原先生と映画の趣味が合わない西川です。

今日から新年度開始ですが、そのこととは関係なく映画の話を。

ちなみに栗原先生とは音楽の趣味もまるで異なるので、話が噛み合わなくて。

数年前の会話。

栗「僕はジャズが好きなんです」

僕「俺ジャズ嫌い」

栗「そうですか」

僕「でもガトー・バルビエリだけ聴くなあ」

栗「誰ですか、それ」

最近はカプースチンも聴くけど、栗ちゃんはやっぱり知らないんだろうか。

さて。

先日ひさしぶりに映画でもみようと思ってDVDを借りに行ってびっくり。

みたい映画がまったくない!

ハリウッド映画とアニメとテレビドラマばっかりだ!

僕が学生の頃のレンタルビデオ屋にはもう少し多種多様な映画が置いてあったものですが、某大手のレンタル屋さんが売れ筋のビデオばかり何十本も置くという手法を大々的に展開してからでしょうか、ちょこちょこといろいろな映画を置いていたビデオ屋が姿を消してしまい、ついに現在のような惨憺たる有様になってしまったんですねえ。現代は価値観が多様化しているなんてウソですよね。

しかたなくインターネットでDVDを買うことに。

ギリシャのアンゲロプロス監督のものばかり4本。家にアンゲロプロスがあると思うと何だか幸せ。

さっそく『エレニの旅』と『シテール島への船出』をみました(『エレニ』は以前に十三の第七芸術劇場でみたことがあるので二度目)。

あたりまえのことですが、映画って、何よりもまず「目の愉しみ」ですね。いやもちろん耳の愉しみでもありますが(登場人物がポケットからしわくちゃの紙幣を出して伸ばすときの音なんてぞくぞくしてしまう)。

黒い色がとても美しい。水がとても美しい。

我々がもっているギリシャのイメージ(エーゲ海に燦々ときらめく陽光みたいな)とはほど遠い曇天模様のもと、ワンシーンワンカットに近い長回しでゆっくりと情景が展開していくので、「みる」ということについての姿勢をふだんのそれからアンゲロプロス用に切り替えないときっとすごく退屈でしょうねえ。おまけに、なぜか登場人物の多くが黒い服あるいは黒っぽい服を着て、最小限にしぼりこまれたセリフしかしゃべらない。

でも、どのカットも絵のように美しくてうっとり。

ひとつの情景をこんなにゆっくり眺める(あるいは見つめる)ことは日常生活ではまずない(日常生活どころか、景勝地でもみんな写真さえ撮ればさっさと移動してしまう)ので、たとえDVDでもアンゲロプロスの映画をみると、日常生活の中にまったくちがう時間がさしはさまれたように感じます。

『エレニの旅』はストーリー的には相当悲惨な話ですが、後味が全然悪くない理由のひとつはそういうところにもあるんじゃないかと思ったりして。

『シテール島への船出』のラストも、いわゆるハッピーエンドではありませんが、老夫婦が浮桟橋に揺られながら霧の海へと消えていく情景はとても美しかった。そういえば『エレニ』も『シテール島』もラストシーンの水が印象的で。

よだれをたらしながら眠ってしまう私でありました。

言い訳ではなく、いい映画は僕をうっとりと眠くさせる!

タルコフスキーの『サクリファイス』も眠かった!(タルコフスキーといえば『惑星ソラリス』も出だしとラストの水が美しくて印象的でした) 

気持ちよく眠れるのもいい映画の条件のひとつですよね。

うっかり眠ってしまったらもう一度みて二度楽しめるし。

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