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2010年2月27日 (土)

将棋の諺

せっかく趣味が将棋、と書いているのですから、ここは一つ将棋の話でもしなきゃなあ。

と考える私。根がまじめなばかりに避けようのない事態です。

中学受験の国語では「ことわざ」がときどき出題されます。従って受験生は努力してことわざを覚えるわけです。

でも、「試験に出るから覚えないと」というのはちょっともったいないくらい、ことわざにはなかなか味のあるものがあります。

出る杭は打たれる(でるくいはうたれる)

なんていうのがあります。とてもメジャーなことわざで、まあ、みんな知っているので入試には逆にあまり出ないくらい。

でも、このことわざを知っておく必要は、ありそうです。

テレビで「時の人」になった人物は、もてはやされていたと思いきや、一転「バッシング」される対象になることもしばしば。

希学園の塾生の皆さんも、将来偉くなる人、「出る杭」になる人が多いでしょうから、心してほしいものです。

あぶないあぶない。うっかり将棋の話にならずに終わってしまいそうでした。どうもすぐに話をきれいにきれいにまとめてしまうのは根っからまじめな性分でしかたがありません。教室によく寝ぐせがついたままで入ってしまうのも、決してだらしないのではなく、羽生名人のスタイルを踏襲しているだけなんです。ええ。

閑話休題。

将棋の世界にも「ことわざ」があります。将棋を知らない人には、なんのことやらわかりそうにないですが、ふんいきだけでもお楽しみ下さい。

歩のない将棋は負け将棋(ふのないしょうぎはまけしょうぎ)

これはまだわかりやすい方でしょうか。歩(ふ)というのは、将棋の駒で一番価値が低い駒とされていて、一度に一マス前に行くことしかできません。横にも後ろにも斜めにも行けません。40個ある駒のうち一番数が多く18個もあり、希少価値すらありません。

ですが、将棋を学んでいくと、歩の使い方が巧い人ほど棋力(将棋の力)が高いということがわかってきます。ここで歩が一枚あったら勝ちなのに、ないばかりに負けた、ということは実は結構あるものです。将棋以外の現実の場面でも、これに似た局面はありそうです。

すごくすごく喉が渇いていて、自動販売機でジュースを買おうと思ったが小銭入れを忘れて一万円札しかなかったら……。うーん。例が今ひとつかなあ。現実はそれほど困らないしな。コンビニ、恐るべし。

王手は追う手(おうてはおうて)

つまらないダジャレのようなことばですが、将棋では非常に大切な考え方です。

「王手をかける」と言えば、将棋をはなれてよく使われる慣用句です。「あと一手で勝ち」という手を指すことですが、自然に「王手がかかる」ところまで準備万端ととのえばよいのですが、無理に「王手をかける」ようだと、逃げられておしまい、二の矢がないなんてこともしばしば。

将棋以外の現実の場面でも、これに似た局面はありそう……あるかなあ。いや、あるはずだ!

恋愛に例えるなら、まだお互いの気持ちが通じ合っていないのに「告白」したり「プロポーズ」したりでしょうか。うーん。これも下手な例だな。どうも例がうまくなくて説得力がないか。

金底の歩 岩より固し(きんそこのふ いわよりかたし)

もはや将棋をしらない人にはなんのこっちゃ! ですが。将棋では、相手の王を攻める場合に、まずは守りの駒である金をはぎとります。しかし守りを固める「金底の歩」を打っておくと、攻める側は、金の下に歩があるために金をただで取れない。ここでも歩が活躍するんですね。専門的には「金にひもをつける」なんて言います。

さあ、これを将棋以外の現実の場面にあてはめてみると。うーーん。財布を落とさぬようにストラップでもつけましょうか。

まあ、何事も足下の守りが大切ってことで(滝汗

両取り逃げるべからず

「王手飛車取り」を聞いたことがあるでしょうか。どちらかが必ず取られてしまうという大ピンチです。ことに「飛車」は一番強い攻め駒なので、取られてしまうと、敗色濃厚、という気分になります。ところが、プロの世界では「王手飛車をかけた方が負け」とよく言われます。さすがに序盤で飛車を取られると勝てないものですが、終盤では飛車を取られても、目的である相手の王を詰ましてしまえばいいのですから、最後まで勝負を投げずに一直線に進んでみるものです。

これも将棋以外の現実の場面でも、これに似た局面はありそうです。考えてみて下さい。どうもいい例が思いつきません。(もはや投了)

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