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2010年5月20日 (木)

アニメソングといえば

前回ドラえもんの主題歌の話が出てましたね。

アニメソングの話になると黙ってられないな。

特にアニメ好きでもないのに、なぜか学生時代カラオケでアニメソングばかり熱唱していた過去を持つ私。

私にとってドラえもんといえば、「ぼくのドラえもんが♪町を歩けば♪」ですな。「ハア~ドラドラ」の方です。

それにしても、昔から気になっているのだけれど、藤子不二雄アニメの主題歌は、なぜあんなに頭髪の状態にこだわるのかしら?

「ハア~ドラドラ」の歌には、「風切るおつむはつんつるてんだよ」というくだりがあったはず。

Q太郎の歌も「あのねQ太郎はね、頭に毛が3本しかないんだよ」という暴露から始まっている。

名誉毀損でんがな。

あまつさえ「あ、た、ま~のてっぺんに、毛が3本、毛が3本」と反復法まで用いて強調している一節もあり。

謎だ。

もしや、奥村先生と何か関係が・・・・・・?

さて、かつてよくカラオケに行った友人にKという男がいます。

カラオケの、あの、人が歌っているときはひたすら自分が歌う曲をさがしている、という状況にあまりなじめず、今ではすっかり行かなくなってしまいましたが、当時はこのKくんが仕切ってくれて、カラオケはなかなか楽しいひとときでした。

Kくんの仕切りとは?

Kくんは、歌いたい曲を選ばせてくれないのである。

Kくんが、彼の判断で勝手に次々と曲を選択し、この歌はおまえ、この歌はあなた、次の歌はきみ、と指名するのである。

考えようによってはひどい話ですな。

いちばんの被害者はFでしたか。当時彼は自分の思い描いているとおりの人生を歩むことができず、鬱屈を抱えていました。するとKはいつも大沢誉志幸の『そして僕は途方に暮れる』を勝手にリクエストし、Fに歌わせるのである。

また、かつて岸田智史が好きだったとうっかりもらしてしまったMK女史はいつもいつも『きみの朝』を歌わされていたような。悲しげな半笑い顔でしかたなく歌うMKを尻目に、実にうれしそうに「モーニンモーニン」とコーラスを入れていたK。

そのほかにKがセレクトするのが、『怪物くん』『新造人間キャシャーン』『マジンガーZ』『ひょっこりひょうたん島』『バビル2世』『キャンディキャンディ』『魔法使いサリー』『海のトリトン』・・・。

もう次から次へとアニメソングの嵐(ひょっこりひょうたん島はアニメではないが)。そうなると、もうだれの歌とか関係なくて、みんなでひたすら合唱になるのであった。

そして、Kはひどいやつですが、サービス精神も旺盛なので、私が『怪物くん』を熱唱していると、

私「ドラキュラ!」

K「はいざあます」

私「狼男!」

K「うぉーでがんす」

などと必ず合いの手を入れてくれるのでした。

アニメソングの中で曲も歌詞もかっこよかったのは、『新造人間キャシャーン』。

出だしが、

「響けキャシャーン! 叩けキャシャーン! 砕けキャシャーン!」

・・・・・・かっこいいなあ。

トリトンもバビル2世もかっこよかったけど、キャシャーンがいちばんですな。

しかし、今回私が取り上げたいのは、『ガンバの冒険』のラストの歌なのである。

凄いですよ。

ふつう、アニメソングには、逆接の接続詞はあまり使われません。

逆接の接続詞が入ると、そこで流れが変わりますから、一人称で思いをのべたり、ヒーローをたたえたりする歌には、逆接は入れにくいんだと思います。

入っていたとしても、

(-)の内容 → 逆接の接続詞 → (+)の内容

のようになるはずですね。「ああ~悪いやつが悪いことをしそうだぜ~しかし~ぼくたちにはきみがいるゥ~」みたいな。すいません、適当な歌詞で。

ところが、『ガンバの冒険』のエンディングテーマには、何と、逆接の接続詞が2回使われているのだ。

ということは、当然、

(+)の内容 → 逆接 → (-)の内容 → 逆接 → (+)の内容

のような組み立てになるはず。そう思うでしょ?

ところが、ガンバはちがうのである。

(-)の内容 → 逆接 → (+)の内容 → 逆接 → (-)の内容

なのだ。

ありえない!

子どものときは意識していなかったが、大人になってからあらためて歌詞を吟味して驚愕!

これじゃ怖くて来週見られないじゃん!

内容的にはですね、

(-) いかだに乗ったガンバたちが嵐の海で打ちのめされる

    →もう冒険なんか打ち切ろう

逆接

(+) ガンバが島をみつけて指さす

    →カモメの歌、帆柱に朝日

逆接

(-) 夕日がガンバたちの影をうつしだす

    →影はドクロのかたちをしている

主人公たちの「死」を暗示する歌になってしまっている!

それがエンディングテーマとは!

おそるべし!

でも、確かにこのアニメに出てきたガンバたちの敵「白イタチのノロイ」はほんとうに怖かった。

主人公たちと敵たちとの力の差の開き方は、アニメ史上歴代一位だったかもしれません。

もう絶対に勝てないと思ったもん(ちなみにガンバたちはネズミです)。

「白イタチのノロイ」に比べたら、デスラー総統なんてカピバラみたいなもんです。かわいいものですよ。

3年生・4年生の人は、ビデオ借りてきて一度見てもいいんじゃないでしょうか。

力の入った良い出来のアニメです。

子どもだましじゃない、本気でつくられたアニメだなと感じます。

原作もいいですよ。

斉藤惇夫『冒険者たち』『グリックの冒険』『ガンバとカワウソの冒険』

三部作になっています。すべて傑作です。

夏休みの読書感想文はこれで決まり! と言いたい。

話もどって、ちなみにK自身が必ず歌っていたのは、堀江淳『メモリーグラス』。

「水割りをくださ~い」と気持ちの悪い裏声で歌う姿が忘れられません。

今、大学で哲学を教えているはずですが・・・・・・やれやれ。

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