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2010年7月 5日 (月)

何の用だ!?

西川先生の「フリ」というか「縦パス」を受けなければいけない、ということで、ここは映画の話をします。

観て気分を悪くする映画といえば、「13日の金曜日」シリーズとか「オーメン」とかが昔は有名でしたね。今ならさしずめ「ザ・ゴーヴ」でしょうか(爆)。

真面目な話にもどすと、観て気分を悪くする映画で思い出したのは、スティープン・スピルバーグの「プライベート・ライアン」です。お勧めの映画です。

いや、「気分が悪くなるからお勧め」ってことではなく、皮肉という訳でもないんですが、「気分を悪くする価値がある」という意味で。

有名な冒頭のシーン。時は第二次世界大戦末期の「D-Day」。いわゆる1944年6月6日ノルマンディー上陸作戦におけるオマハ・ビーチ(血のオマハ)での戦闘シーンです。

冒頭の20分間、とにかく人が死にます。

この映画はこの20分を観るためだけにあるとも思います。冒頭の部分がなくても、ストーリーとしては成り立ちます。単に話題を提供するためという目的で、この戦闘シーンが描かれたのでは決してないと思います。

戦争ほど愚かで恐ろしくて汚くて格好悪くて惨めで悲しくて辛いものはない。

これを実感させてくれる20分なのです。

メカのかっこよさなどに憧れて、つい男の子は戦争の兵器である戦闘機や戦車などに憧憬をいだいてしまいますが、戒めのためにも、この映画を観て欲しいと思いました。

映画は「第七芸術」と呼ばれることがあります。音楽・美術・文学・演劇という他の芸術の要素を包含した総合芸術なので、「芸術の中の芸術」っていう人もいる。

私を含め、映画好きの人に映画を語らせる(いや聞かされる)とき、正直ややうざいと思いませんか。思いませんか、そうですか。アナタは心の広い人ですね。

そもそも芸術自体、自分の趣味や美学を人に披瀝することになっているわけです。

じゃ、平たく言うと芸術って全部自慢だったり押しつけだったりなんでしょうか。

「すべてのエッセイは自慢である」と私は授業でいうことがありますが、芸術の本質はそうでないと思いたい。

じゃ、何のために映画(特に悲劇)があるかってことですが、「カタルシス」もさることながら、やはり「不幸をなくす努力をしないといけないよね」と少しでも思わせてくれるところにあるのではないでしょうか。

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