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2011年2月28日 (月)

以前以後

引っ越しの多い生涯を送ってきました。

自分には、一つところに定住する生活というものが、見当つかないのです。

……などと太宰風に書き出してみましたがこれ以上真似する文才も度胸もないので措きます。

狭いところ広いところ、新築に築古年、1Rマンションに一軒家、高級住宅街に下町まで。

思えば、いろいろなところに住んだものです。

それだけに、「住むところ」が、「生き方を変える」というのは大げさでも、「ライフスタイルに影響を与える」というのはぬぐい去れない実感です。

坂道の多い街では体力がつく前に引きこもりがちになりました。

職住接近は便利かと思いきや、生活にメリハリというか、公私の区別がなくなり、のべつまくなしに仕事をしている気分でした。

広めの部屋からは、荷物の置き場にこまらない代償として、荷物がとめどなく増えることも教わりました。

だいたい、人が家から出て帰る行為を考えますと、出がけより帰宅時の方が、荷物が増えているのが常です。引っ越したばかりのときはがらんとしてすっきりした新居も、出かけては帰るをくり返すうちに、なんだかんだと持ち帰る品物が部屋の中を占めていくものです。抜き差しならぬしがらみが増えて、いつのまにか窮屈になっているところは、人間関係も似たような感じがします。巣にもどる鳥が必ず何かをくわえているように、家族で出かけた帰りには車の中の荷物が行きよりも増えていることに気づいて辟易します。

いっそのこと、玄関に重量計でもつけておいて、出ていくときより重量が増えて帰ってきたらアラームが鳴る! というようなシステムが発明されないかしらん。

そうそう、実は去年からよく録画しては見ている番組があります。住宅のリフォームをする、「劇的!◎フォー◎フター」という、ご存じの方も多い番組です。今頃か!というツッコミの声には耳を貸さずに続けます。

他人の家に上がり込むというのは、小学生以来あまりないことなので、テレビで赤の他人の住まいの中身まで見る機会というのが面白いというのもハマッている理由かもしれません。

出てくる家がとにかくひどい環境というか、「ていうか、引っ越せよ!」といつも言いたくなるほどのツワモノぞろい。それが、一時間後には楽しそうな家に変わるのですから、「モヤモヤ→スッキリ」という快感発生の基本に沿っていて、実にうまい番組を考えたもんだなあといつも感心します。

あのおなじみになった音楽や、「なんということでしょう!」「人は彼を、……の匠と呼びます」「一軒の問題を抱えた家が……」などの決まり文句をサザエさんの声優が言うところがかなりキています。

「またこのパターンか」とわかっているのに、一番スッキリさせられるのは、

古い壁を壊し、腐った土台を新しい木に替え、コンクリートのベタ基礎を敷いて……

というシーンです。なんだかわくわく、ぞくぞくすらします。新しい木の色って、何ともいえないいい色ですよね!

我々、塾の講師も、勉強に行き詰まる生徒のやる気を引き出し、生活リズムや勉強方法を一新させ、みちがえるように成績を向上……ということができるように日々精進しています。

無理矢理な終わり方ですが、ハッピーエンドが好きなんです。

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