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2011年9月18日 (日)

ポイントは三つある(2)

今回のタイトル「ポイントは三つある」は、以前に山下先生が使ったものなのですが、

拝借しました。

国語の講師という仕事を長年していると、いろいろな習性が身につくものです。

①本屋に行くと、自分の読みたい本よりも先に、入試に狙われそうな本をつい探してしまう。

②文章を読むときに「ここを空らんにしたら面白い問題が……」と考えてしまう。

③一般化できないか、と知らず知らず考えている。

上の①や②は同業の方々にはうなずいてもらえそうです。③はというと、「ことわざ」などを教えていて、「とかくこの世はこういうものよ」という考え方に帰着させるというか、文章を読むときにも「結局この文章はこういうことを言いたいのだよね」などと「まとめる」くせがついていると言えばわかっていただけるでしょうか。

古今東西いろいろな人が残した名言や格言があります。できれば自分もこの世に一つくらいは名言を残して去りたいものよのうなどと思っていますが、そんな大それたことは無理として、

このブログを読んで下さっている方へ。

「ひとつ、ふたつ、いっぱいの法則」

これをいつ思いついたか思い出せず、それも自分のオリジナルではなく誰かの本で読んだのか、それすら曖昧なので汗顔赤面すいまめーんなのですが。

カラスはいくつまで数を認識できるか、ということを研究した文章がありましたが、われわれ人間はもちろん、非常に大きな数を扱うことができると思われています。

とはいうものの、普段われわれは結構きちんと数を認識していないと思うのです。

多くの人が多くの場面で、三つ以上になるともう「いっぱい」くらいの括りに入れてしまう。

例えば、悩みごとも、「仕事の〆切は迫っているし、友人の結婚式のスピーチを来週しなきゃなんないし、足の爪を切り過ぎちゃって痛いし、いま俺いけてない! 悩みだらけの大ピーンチ! 不幸のデパート!」なんてことに。三つも悩みがあれば、充分いっぱいいっぱいになる人が多いのではないでしょうか。私だけでしょうか。

その逆で、「あの新人はあいさつがさわやかだし、いつも早く出勤するし、机の上もよく整理されているなあ、うんうん、感心感心」などと、人の評価も、プラスポイントが三つくらいあれば、結構高評価にしてしまったり。

毎週の授業でたまたま同じ曜日に同じネクタイをしていくことが三週も続くと、

「先生いーっつも同じネクタイやね~」なんて目ざとく見つけて言う生徒がでてきたり。

「この服かわいいわ、あ、あのテレビドラマでヒロインが着てたのに似てるし、やだ、このショップ、今ならポイント二倍なんですって、え?限定品? 買わねばだわ!!」

どうも、われわれは「1、2、……いっぱい」という数認識が多いのではないか。

これを逆用する手もありまして、「他人を説得するとき」など、この理論?が応用できます。

理由や根拠を三つ用意しておくわけです。ゆめゆめ「二つどまり」にならぬこと。

自分を元気づけるときにも好材料を三つ挙げてみる。「俺って実はメタボだけど意外と頭髪はだいじょぶじゃん、それに最近何年間か免許証はゴールドキープだし、今年はヤクルト調子いいよな」なんて。

三つというのが意外にポイントで、四つ五つになると「くどーい、理屈っぽい、そんなに言われるとかえって冷めるわん」となりますので、三つぐらいがほどよい「いっぱい」なのかもしれませぬ。

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