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2013年2月 4日 (月)

四条烏丸教室のMさん合格おめでとう、ブログ更新したよ!

今日は立春でしたね。さっき、ひさしぶりに体重計にのってみたら、やはり、やはり、体重が増えていました。冬はどうしても、何をしてもふとる! たしかに毎日チョコを食べていた、それは認めよう、しかし、全体として1日のカロリーはそれなりに抑えていたはずなのに! 今月は誕生月だから、ケーキ食べちゃうだろうなあ。もともと甘党だからなあ。あーやだやだ。はやく夏になってほしいです。毎日だらだら汗を流したいんだ、僕は!

今日は立春であると同時にベーシックの開講日でした。僕は小6Pの授業で烏丸へ。初回なので理想の授業について語ってみました。

「みんな聞いてくれ、僕には『理想の授業像』というものがあるんだ。

ほんと言うと僕はさ、文章を読み終わってから、対比が出てきたね、何と何が対比されていた? みたいな授業はいやなの。

じゃあ筆者の主張をまとめてみよう、筆者の主張がもっともまとめて述べられていた段落はどこだったかな? みたいなのもいやなんだ。

理想の授業はさ、ほら、まず文章を読むだろう? そこで僕がひとこと、漠然と『どう?』なんて訊くわけだ。するときみたちが、『先生、ここはひとつ対比に注目でんな』『並列も見落とせまへんで』なんて言ってくるの。そういうのが理想なんだ~」

「それって、先生は何もしてないのでは?」

「いやあ、じつにそうなのよ。でも、入試のときはきみたち、完全に自力で、自分だけの力で文章を理解しないといけないんだぜ、どこに注目するべきか、どんなふうに文章を整理したらいいか、だれも教えてくれないんだぜ」

「なるほど~」

「よしよし」

といった感じでした。なんとか入試前には理想の授業を実現したいものです。

さて。例によってとりとめがなくて申し訳ありませんが、先日、梅田の古書街に行って、昨年から目をつけていた本を買いました。

三浦つとむの『認識と言語の理論』という古~い本です。第1版第1刷は私の生まれた年に発行されました。第1部から第3部まで全3冊あり、新装版も出ているんですが、一冊5000円近くもするんですよ! ひどい! 三浦つとむを読むなんて絶対にマニアだから高くしても売れるという計算にちがいない、お~の~れ~、と思っていたら、古書街で第1部と第2部が1冊1000円で売られてたんです。買わいでか! というわけで、最近、電車の中でせっせと読んでいます。

以前に、読解力を養うために「モニタリング」が必要という話を書きましたが、そのあたりにもからんできそうな内容です。読んでいて、まず「なるほど」と思ったのは、

人間は観念的な自己分裂のために必要な道具をつくり出している。・・・・・・鏡を使って行われるこの観念的な自己分裂は、単に自己の姿を客観的な位置において見るにとどまらない。鏡のこちら側に位置づけられている観念的な自己は、さらに恋人や入社試験の試験官などに観念的に転換することができる。・・・・・・この種の実践が自己についての認識の発展であり・・・・・・

というくだり。これだけ引用されても何がなんだかわかんないかもしれませんが、とにかくおもしろいのです。今すぐ授業での指導にいかせるわけではありませんが、文章を読むことと、どこかでつながってくるぞ、という予感があります。日々勉強でんな。

国語の講師をやっていて何がおもしろいって、国語の教え方が他教科ほどには確立されていないというところがいちばんおもしろいです。そりゃどんな教科だって良い授業悪い授業はあるし、教え方の巧拙もありますが、国語の場合、まず、「国語の授業として成立していない」というレベルのものがありますね。「下手」じゃなくて「不成立」。学校の国語の授業なんてほとんどこれだと思います。

簡単にいうと、ある文章を理解させるだけに終わっている授業は不成立なんです。ここに書いてあるのはこういう意味ですよ、このときの主人公はどんな気持ちですか? ポチがいなくなって悲しんでいるんですね~、なんてのは、その文章を説明しているだけなんで、それでは読み方の指導になっとらん、したがって授業になっとらん、ということです。

希学園の国語科新年度研修で使用した門外不出の冊子『希の国語2013』では、この「成立/不成立」という問題だけに20ページ近くを費やしています。そのぐらいこの問題は奥が深いです。こんなこと考えたこともない国語の先生が世の中にはあふれかえっているみたいですけどね。たぶん、そういう人は、「不成立」とか言われても、ぴんと来ないんだろうなあ。

なんだか今日は辛口になってしまいました。体重計にのったせいです(>_<)。

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