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2015年9月27日 (日)

衝撃の亜空間、シネマ食堂街続報!

少し前の話ですが、台風が来ました。私が山に登ったからです。ええ、そうです。私が登ると来るんです、知ってます。毎年の話ですからね。もはや台風が来るの来ないので一喜一憂する私ではありませんよ。来たければ来ればいいんです。僕は逃げも隠れもしないんですから。

というわけで、先日、北アルプスを縦走してきたのですが、台風&秋雨前線のため、五泊六日の山行中、雨が降らなかったのは下山する日だけでした。おかげさまで何もかもからからに乾いた状態で下山できてハッピー! いいんですよ、下山する日さえ晴れれば! すれちがった人たちの楽しそうなこと! ちっ!

おまけに、台風のせいで予定が狂い、下山したらまず室堂のミクリが池温泉に入るという当初の計画は見直さざるを得ませんでした。じゃあしょうがないから富山市内の観音湯という銭湯に入ろうかと思って一応調べてみたら、なんとすでに廃業されているとか。六日も山にいるとすごく臭いので、風呂に入れないまま高速バスに乗るとものすごい顰蹙を買うことうけあいです。やむなく、登山口の水場で頭をじゃぶじゃぶ水洗いし、手ぬぐいをぬらして全身をごしごし拭き、服を着替えました。

折立というその登山口からバスに乗って、有峰口という富山地方鉄道の無人駅まで行ったんですが、乗客は僕と、やはり下山したてのおじさんだけでした。このおじさんがくさいくさい。なんせバスの発車時刻ぎりぎりに下りてきたので、僕のように清らかな状態になっていません。僕の二つ前の座席にいたんですが、おじさんの方からすさまじいにおいがただよってくるので、このくさいおやじめ、と内心毒づいておりました。

ところが、バスを降り、無人駅で列車が来るのを待っていると、くさいおやじがどこからか缶ビールを2本ゲットしてきて「どうですか」と言うのです。くさいおやじなんて心のなかで言ってごめんなさい、とこれも心のなかで言って、ありがたくちょうだいしました。福島県の方でした。ありがとう、くさかったけれど優しいおやじ。

さて、ここからが本題です。衝撃の亜空間、シネマ食堂街の話です。

と言われても何のことかわからない方もいらっしゃいますよね。だいぶ前に書いたんですけど、富山市内にある、昭和の香りも馥郁たる古い(というよりぼろい、そしてくさい)建物で肩を寄せ合っている飲み屋街です。僕は以前、そこの『あや』という居酒屋?スナック?でビールを飲んだことがあり、数年後にそこのママの正体を知って衝撃を受けたのです。詳細は、古いブログ記事をご覧ください。

さて、富山市に出ていつもどおりシネマ食堂街に行くと、なんと、閉鎖されていました。富山市は新幹線が開通し、いまや再開発の嵐が吹き荒れています。富劇の建物にいたってはすでに取り壊されていました。富劇というのは、シネマ食堂街と似たような雰囲気の、古いぼろい建物に小さな飲み屋がごちゃごちゃとかたまっている、そういう空間です。僕はいつもこの富劇の横のコインランドリーで登山服一式を洗うのです。

取り壊された富劇の向かいに居酒屋があり、明るいうちから営業していたので、さっそくビールを飲みました。客はおばちゃんとおじいちゃんのふたり。おばちゃんは、どうもカラオケスナックのママらしく、出勤前の風情でした。おじいちゃんはよくわかりません。でも、昼間からお酒飲みに来ている人って基本的にさみしがり屋なので、すぐに話しかけてきます。僕もそういう人と話をするのは嫌いではありません。しかし、このおじいちゃんについては特筆すべきことは何もありません。シネマ食堂街と関係ないので。

おじいちゃんが帰ったあと、店のおばちゃんとお客のおばちゃんに、

「シネマ食堂街に、美空ひばりばかりかかっている店がありましたよね」

とたずねると、ふたりは一瞬「ん?」と考えたあとで、爆笑。

「ああ、あの、おかまちゃんの!」

というわけで、『あや』のママ(マスター)って、けっこう有名だったんだなあ、とほんわかしてしまいました。すみません、実を言うと、「続報」というのはこれだけです。

風景はどんどん変わっていきますね。

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