おこだでませんように
希学園のアニュアルイベント「七夕祈願」が始まっています。
進学塾なので、もちろん旧暦の七夕のタイミングです。
各教室に飾り付けられた笹には、
「○○中学校に合格できますように」
「※Pコースに来年入れますように」
「※S1にあがれますように」
※Pコース・S1 ……詳しくは希学園HPをお願いします。まあ、入れると、あがれると、とってもうれしいことなんだなと理解してくださればそれでもけっこうです。
など、塾生たちが書いた短冊をつるしています。
子どもの頃、七夕が大好きでした。星を眺めるのが好きだったせいもあります。
本題ですが、いい絵本をみつけましたので紹介します。
「大人が読むに耐える絵本」 というより「大人が読むべき絵本」だと思います。
あらすじを書いてしまうとつまらないのですが、かといって書かないと伝わらないので、
かいつまんで。
「ぼく」は、家でも、学校でも、いつも叱られてばかり。
かまきりを見せてあげようとしたばかりに、女の子を泣かせてしまって、叱られ。
妹を泣かせてしまって、叱られ。友だちに手を出してしまって、叱られ。
とにかく、自分の「理屈」が通じなくて、でも精いっぱい、愛されたいと願っている。
そんな「ぼく」は、学校で、七夕の短冊にいっしょうけんめい、えんぴつをかじりながら、
ていねいに、書いた。
「おこだでませんように」
(ここでぐっときましたね。やられてたまるか、と私は思いました。絵本ごときに泣かされてたまるもんかと)
そのあとの部分はぜひ、ぜひ、買ってお読みください。
本屋で立ち読みなんかすると、アレです。 私がそうでした。場所もわきまえず……です。
日頃、小学生と勉強していると、「叱る」という場面は避けられないものです。
あとでよくよく考えて「あれは理不尽なしかり方だったな」と反省することもしきりです。
私はどちらかというと、理不尽なしかり方をされて育ったので、父親を比較的うとましく思っていました。
でも、社会にでると、理不尽なことだらけなので、最近はよく「理不尽な父親のおかげで、自分は強くなった」的に納得していました。
そして自分の子どもにも、そして塾生にも「確信犯的に」理不尽なしかり方をしていたきらいがあります。理不尽に叱ることも必要だと。「この子のために」頭ごなしに叱ってやるんだと。
うーん。
この絵本を読んで、もう一度、自分の子どものころに感じたあの気持ちを思い出しました。
そして、ずいぶん反省しました。
「おこだでませんように」(くすのき しげのり著)
絵もすばらしくいいです! 絵の細部をよくよく見ていくと、文章にはしきれない、さまざまな文脈が見えてきます。
その詳しい話をいま書いてしまうと、「よし、買って読むぞ」と思われている方に申し訳ないので、次回くらいに。かみんぐすーん。