食事どきの会話
入試対策第Ⅱ期に突入しています。
①N生は朝9時半から国語の語句テストと理科の実力テストを受け、その後各教科の講義・自習を経て、夜9時半に帰ります。
12時間拘束です。
しかも、教室の黒板には
『①N生に休み時間はない!』
などと書かれていたりします。
おまけに、食事休憩中も講師が教室にはりついて目を光らせています。
にもかかわらず、子どもたちは結構楽しそうに元気よく勉強してたりして。
心の中では「えらいなあ、おまえたち、うんうん。」と思っているんですが、食事休憩の監督に入ると、つい、
「おい、いつまで飯食ってんねん、さっさと勉強せんかい」
などと言ってしまう私でした。
ある日の食事中の会話。教卓に座っている私に、塾生がご飯を食べながら、
「先生、今いくつ?」
「九百歳や」(めんどくさい)
「この前十八歳って言うてたやん」
「九百十八歳や」(ますますめんどくさい)
「長生きやな」
(ついのってしまう)「鎌倉幕府が成立したころのこともよう覚えてるで。頼朝と先生は、頼ちゃん和ちゃんと呼び合う仲やったんや。『頼ちゃん、あれじゃ、義経がかわいそうだよ』『兄弟のことに口をださんといてくれ』みたいな。武蔵とも戦ったで」
「どっちが勝ったん?」
「引き分けや」
「坂本龍馬は知ってる?」
「臭いやつでな。あまり近寄らんようにしてた」
「永倉新八は?」
「いやあいつはなかなか強かったな。でも、齋藤一のほうが強かったな」
「沖田総司は?」
「あんな咳ばかりしてるやつたいしたことあるかい」
「近藤勇は?」
「あいつは拳骨が口に入るというだけの男や」
「高野長英は?」
「あいつはけっこう悲惨でね。俺も逃亡手伝ってやったりしたがね」
「勝海舟は?」
「さっさと食うて勉強せえ!」