国語科講師からのリレーメッセージ③「月うさぎ」
第3弾は竹見trです。ムーン・ヒーリング・エスカレーション!
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こんにちは。国語科の竹見です。前回の木村先生からのメッセージの中で「白兎」が出てきていましたので、私からは「うさぎ」について少しお話ししたいと思います。
みなさんは「ふるさと」という童謡を知っていますか? 「うさぎお~いしかのやま~♪」というあの歌です。この「うさぎおいしかのやま」という歌詞の「おいし」の部分をみなさんはどのようにイメージしますか? 「追いし」をイメージしますか? 「負いし」をイメージしますか? まさか……「美味し」や「老いし」をイメージする人はいませんよね?
「うさぎ」を「追いかけた山」なのか「(背)負った山」なのか、を考えるとわかります。自然なのは「追いかけた」ですね。ちなみに、昔は、山を荒らす害獣とされていた野うさぎを追いかけて捕まえるという「うさぎ追い」が農村で行われていたそうです。
では、「赤とんぼ」という童謡の「おわれ~てみたの~は~いつの~ひか~♪」の「おわれて」の部分は「追われて」と「負われて」のどちらでしょうか? これは、子守をしてくれるお姉さんの背中に「負われて(おんぶされて)」見た、ということなんです。
漢字の勉強をする時は、どういう漢字を使うのかということや字形の細かな部分に気をつけることはもちろん大切ですが、漢字の持つ意味を意識するということもとても大切ですね。
さて、日本では「月にはうさぎがいる」とよく言われますね。みなさんも聞いたことがあると思います。月にうさぎがいると言われるようになった起源はインドにあり、それが日本に伝わったと言われています。
昔、さるときつねとうさぎの三匹が山中で力尽きて倒れている老人と出会いました。三匹は空腹で倒れているその老人を何とかして助けようと考えました。さるは木の実を集め、きつねは魚をとり、老人に食べさせました。ところが、うさぎだけは食料をとってくることができませんでした。それでも何とかして老人を助けたいと考えたうさぎは、なんと自らを食料として老人に捧げたのです。そのうさぎの姿を見た帝釈天(実はこの老人は「帝釈天」という神様だったのです!)は、うさぎのこの行動を後世に伝えるためにその姿を月に残そうとしたのです。このお話が起源となり、月にうさぎがいると言われるようになったそうです。
ちなみに、日本ではうさぎがいると言われていますが、外国ではそうではないようです。「本を読むおばあさん」や「大きなはさみを持つカニ」、「横を向いている女性」「ライオンがほえているすがた」などなど、さまざまな見え方があるようです。国や地域が異なれば、月の模様の見え方も変わってくるということですね。
このように国や地域によって異なるものもありますが、今は、新型ウイルスによる感染症の拡大を防ぐという目標に向かって、世界中の人々が手を取り合って一致団結していきたいですね。