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2010年12月12日 (日)

中か外か

今は昔。

もう十数年も前のことになります。

塾生の保護者から、一通のお手紙を頂いたことがあります。

「お尋ねしたい事があります。

先日、菓子の中に入っていた説明書きで

『……餡にまかれた餅が絶品……』と書かれていたのを見つけて、息子と頭をひねりました。……」

というような内容でした。

質問の骨子はこうです。

A 餅が餡をつつんでいる。→いわゆる大福タイプ。

B 餡が餅をつつんでいる。→こちらはおはぎタイプ。

さて、「餡にまかれた餅」はA・Bどちらなのか?

 餅が餡によってまかれている のならば、おはぎタイプですよね。

 でも、

 餅が餡の上にまかれている ととれば、大福タイプです!

 これは「に」という助詞と「~れる」という受け身の助動詞が織りなすミステリーですね。

 ??となっている方のためにもう少し。

 「このおにぎりは、ご飯に巻かれている海苔の風味を味わって頂きたい」

 のような場合、「おにぎり」の先入観というか前提となる知識があるので、違和感なく海苔が外側だとだれもが了解するでしょう。

 この例をもって、「日本語は非論理的な言語だ」なんて言う気は毛頭ありません。

 どんな言語でも、完全に一意に決まらない場合があるはずです。

 むしろ、その二重性みたいなものを楽しむ方が、建設的でいいんではないかと。

 え? 結局その銘菓はどっちだったのか、ですか?

 確認したはずなのですが、肝腎の結論は忘れてしまいましたとさ。

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