よい国語の問題
いよいよ6年生は入試期間に入っています。
実力を遺憾なく発揮してくれることを切に切に望みつつ、私は小3~5生の授業をしています。
できる限り、受験生の皆さんには、適度な緊張と、そして今まで希学園で鍛えた日々への自信を持って、入試に臨んで頂きたいと思います。
国語の問題というと、「答えがいっぱいある」という人も多いです。
ですが、テスト問題である以上、どうしても模範解答、出題者が想定している解答、というのがあるわけですね。
「出題者のねらいを見抜くゲーム」だと思って、出題者との心の中での対話をしてほしいなあ、と私はよく言います。
出題の意図が見えれば、おのずと答えも見えてくるはずですから。
そうなると、出題者側には「意図のある出題」をしてくださいね、とお願いしたくなります。
よい国語の問題、(と僭越ながら私が考える)とは、
①ねらいがはっきりある問題
②文章に根拠があり、文章のここを見れば答えが決まる、という問題
③国語力のある人がきちんと答えを出せる問題
です。
国語の先生が何人も侃々諤々話し合っても答えが決まらない問題というのは、正直、悪問かなと思います。
クイズでも、「いい問題」は存在しますよね。
早押しクイズなどの場合は、問題を読み上げている途中で、答えが見えるようになっているものが多く、全部聞かずにわかる人が勝つようになっています。まるで百人一首の「むすめふさほせ」の一字決まりみたいに。出題者としては、問題の途中で、「ここまで読めば慣れた人なら答えが出るだろう、というようなポイントを作っているのでしょう。
「ベートーヴェンの『交響曲第五番』の……」で「運命!」と答えるのはさすがに早とちり。
「ベートーヴェンの『交響曲第五番』の第一楽章などでは、同じ旋律がくり返され……」で音楽に詳しいひとならば「ソナタ形式」という答えが見えるわけです。
何と言うんでしょうか。運の勝負、になるようなものは入試問題としてはやめてほしいなと。
もう入試問題の作成はすべて終了しているとは思いますが、受験生を送り出す我々講師の願いの一つでもあります。