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2011年9月 3日 (土)

台風襲来

暴風警報のため金曜日・土曜日と授業が中止になりました。これを書いている土曜日正午過ぎの時点ではたいした風は吹いていませんが、何が飛んでくるのかわからないのでやはり危険ですね。

山で強い風が吹くと、ほんとうに飛ばされそうです。数年前に、槍ヶ岳の頂上直下で強風にさらされたときは、岩につかまっていないと体がよろめいて滑落してしまいそうでした。「ひ~」と恥ずかしい声を出しながら岩にしがみついていると、頂上方面から、ポケットに手をつっこんで歩いてくるおっさんを発見しました。「穂先はもうちょい風が強かったよ」と言ってすたすた下りて行くおっさんを見送りながらへっぴり腰で岩に抱きついている自分が情けなかったです。

もうひとつ、風が強いとやっかいなのはテントの設営です。たとえば雪山で、山小屋なんかも閉じているときにうっかりテントを飛ばされてしまうと目もあてられません。

これも数年前の話ですが、八方尾根スキー場から唐松岳めざして登っていたときのこと、途中から吹雪になって視界がきかなくなり、平坦な稜線上にテントを張りました。しかし、テントを張るのに最も良さそうなポイントをさがすのがなかなか面倒です。一見平坦でも結構でこぼこしていたり傾いていたりしますし、できることなら多少の遮蔽物があって風をよけられれば理想的です。

このときは、うろうろしていると大きなケルンがあり、周りに木の杭なんかも打たれていたので助かりました。ただの石積みのケルンは危険ですが、きちんとした建造物になっていれば安心です。木の杭にテントを固定することができてラッキーでした。

なんとか設営を終え、缶ビール片手に(寒くて震えていてもビールは飲む)ケルンの正面にまわると、「長男◎◎ここに永眠す」というレリーフが。

げっ、と思いつつ、しかたなく手をあわせ、「◎◎さん、僕を守ってね」とお願いする私でありました。

◆◇◆

山といえば、怪談話がつきものです。

夜中に、だれもいないテント場で女の人たちの笑い声を聞いたことがあります。強い悪意は感じませんでしたが、ちょっといじわるな感じの声でした。あれは、木霊じゃないかなと思うんですが、どうでしょう。立ち枯れた木がたくさん残っている辺りでした。

大幅にタイムが狂って、夜に新雪が積もった奥穂高を歩くはめになったときは、ちりんちりんという鈴の音が聞こえてきました。きれいな音でした。よく考えるとそんな音が聞こえるなんておかしな話ですが、なんせ「遭難したくない~、生きて帰りたい~」と半泣きになって必死のぱっちで歩いていたときだったので、「へえ~、鈴ですか、はいはい」と思っただけでした。

しかしながら、はっきりと「霊」というものを見たことがあるわけではありません。そういう世界を信じているかと問われれば、「う~ん、どっちでもいい」って感じです。以前はよく「金縛り」にあいましたが、それが心霊現象だという実感もありません。ただ、「信じているかのように」話したほうが、楽しいしおもしろいなあとは思うようになりました。あくまでも楽しめる範囲でという限定つきです。「このツボを買わないと不幸になるぞよ」式の話は楽しめないので僕としてはNGです。

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