国語科講師からのリレーメッセージ⑧「あたりまえのものの中に小さな発見を」
さて、第8弾です。第8弾は茨本先生です。
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こんにちは!国語科の茨本です。平野先生が前回の記事にて、物質的な重さではない「重い」についてお話しになりましたね。私も「重い○○」を例に挙げてお話をしてみようと思います。
私は小さな頃から、根っからの野球小僧でした。するのも見るのも大好きで、親からは野球のことを考えすぎて、だいじょうぶなのかと心配されるほどでした‥‥。今はプレーはしませんが野球観戦という形で大好きな野球を楽しんでいます。しかし、好きすぎるが故に「君って変わったところばかり見てるよね。」と言われることも多かったのも事実です。(詳しい話はまたいつかの機会にしましょう)
この記事をご覧になっている皆さんの中には野球が大好きな人から全く興味がないよという人もいるでしょう。しかし、興味の有無にかかわらずほぼ全員ピッチャーというワードは聞いたことがあるのではないでしょうか。大谷選手や佐々木選手のように160キロオーバーの剛速球を投げるピッチャーも出てきて‥‥、(私の中では)とてもホットな話題ではあります。
「剛速球=飛ばなさそう」と思っている人は多いでしょう。これは当たらずといえども遠からずです。とても速い球を投げるのに、打たれたら軽々遠くに飛ばされてしまうピッチャーはたくさんいます。一方で遅い球でもなかなか遠くに飛ばない球を投げるピッチャーも数多くいます。それを私自身が体験した実話を少しお話ししましょう。
ある日私はいつもの練習の一環としてキャッチボールをしていました。相手はうちのチームのピッチャーでした。その子はそれほど球は速くないのですが、その子の投げた球をキャッチした瞬間思いがけず、ズシンとくる感覚があり、とてもおどろきました。そういえば、その子が投げる試合では打球はめったに遠くに飛ばない、もしかしたらこのキャッチしたときの重みと打球が飛ばないことは何か関係しているのではないか。そう疑問に思った私はコーチに疑問をぶつけてみました。そのとき「重い球」を投げる人がいることを教えてもらえました。
何気ない気付きから、新たな発見をした瞬間でした。モヤモヤがすっきり晴れたような気がしてとても気持ちよかった、そして同時にとても嬉しかった記憶があります。
これまでひたすら野球について語ってきたわけですが、「あっ、これ大切なことだったな」と思ったポイントは、「見方が変われば新しい気付きがあり、さらに深いものの見え方が得られる」ということです。それまで知らなかった「重い球」というものがあると知った途端、「今のは芯に当たったのに飛ばなかった、もしかしたらこのピッチャーの投げる球は‥」という風に思って見られるようになりました。
みなさんの中にも、野球に限らず私の経験と似たような経験をしたことのある人はいるのではないでしょうか?もし経験のある人ならば「分かる!」と思うかもしれませんね。霧が晴れていくかのようにサッといろいろなものが見えるようになり、気持ちも明るくなる。とても気持ちの良いものです。ぜひともみなさんにも味わってほしい感覚です。
では、どのようにしたら今まで見えなかったものが見えてくるのでしょうか。分からないですよね、特にそんな経験をしたことのない人ならなおさらです。いいのです、気にしないでください。これからですから、皆さんの場合は。そこで一つ、私の一意見としての方法をお話しします。とても単純です。
それは、あたりまえのものをあたりまえと思わないことです。あたりまえだと思ったら細かいところまで注意は行き届かなくなります。そうするとせっかくのおもしろポイントを見逃してしまいます。もったいないですよね。世の中は私たちの知らないことであふれかえっているのに。「おっ!そうだったのか!初めて知ったぞ!」と気付くことが増えれば、楽しい上に人生も彩り豊かになっていくと思いませんか?勉強だけではないのです、私は、あなたたちに素敵な人生を歩んでほしいのです。そのためには、いつも見ている窓からの景色や気にも留めないような道ばたの花など、まずは身近なところから目を向けていきましょう。だまされたと思ってやってみてください、意外な発見があるものですよ。そこからどんどんつながって大発見をすることも夢ではないかも‥‥?
日常のあたりまえなものは、あなたたちにたくさんの成長のヒントを与えてくれます。いつか思い出したときでかまいません、新しい発見をしてみましょうね。