今こそ島への愛を語ろう⑥~竹富島~
司馬遼太郎が『街道をゆく』の中で、「桃源郷のような」とかなんとか(すみません、あやふやです)形容していた竹富島にどうにもこうにも行きたくなり、沖縄本島には目もくれず、一路竹富島へ向かったのは、もう十数年も前のことです。確かに、ただただもうひたすら美しいところでしたね。サンゴの石垣、サンゴの白い道、赤い瓦、色の濃いブーゲンビリア、巨大なヤドカリ、巨大なナメクジ。最後のものについては異論のある方もおられましょうが、現地で見たらべつにそんなグロテスクって感じでも、です。
泊まった民宿はネコが2週間ほど前に赤ちゃんを4匹産んだばかりで、「世界ネコ歩き」状態でもうたまらんのでした。ビーチで泳ぐよりネコの赤ちゃんをひざに載せてぼーっとしている時間の方が長かったかもしれません。ほかに何したっけなあ? 牧場で牛見ました。その近くで珍しそうな蝶見ました。なんとかフルーツのアイス食べました。オリオンビール飲みました。ほかは? うーん。
そんな感じで、思い出そうとするとふだんからぼんやりしている頭がますますぼんやりとしびれたようになってはっきりと思い出せないんです。桃源郷って、そういうことかもしれません。