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2019年11月 7日 (木)

もりそばとざるそば   と告知

山下trがざるそばともりそばのちがいは?という話を書いてはりましたが、それで昔のことを思い出しました。

かつて仙台に7年半ほど住んでいたのですが(7年半というのが微妙ですね何があったんでしょー)、そのとき、「仙台市内もりそば食べ歩きツアー」に参加したことがあります。主催したのは、現在、某国立大学の経済学教授で学部長もつとめていらっしゃる(らしい)方で、当時は大学院生でした。「ツアー」とか「主催」とかいうとたいしたことのようですが、まったくたいしたことのない企画で、つまりはただのサークル活動です。

私が通っていた大学iに、文化ゼミナールという高尚なのか低俗なのかわからない名前の自主ゼミといいますか読書サークルみたいなのがあって、そこでマルクスの『資本論』を読んでたんです。『資本論』なんて言っても今じゃ「へーほーふーん」ですが、当時はちょっと「え、左翼? やばいの?」みたいな雰囲気がなきにしもあらずでした。実際のところは、ノンポリ学生の集まりで、なんていったらいいんでしょう、オタクというのではないんですが、地味に、地道に、淡々と、きちんと『資本論』を理解しようとしてがんばっていました。『資本論』は、たぶん知らない人が多いと思いますが、3巻本で、マルクスがきちんと目を通した形で出版されたのは1巻のみ、2巻と3巻はマルクスの草稿にエンゲルスがちゃちゃっと手を入れて出版したものなので(たぶん)、文ゼミでは、1巻だけを読みました。1年かけて1巻だけ読むんです。といっても、国民文庫だと、1巻だけで文庫本3冊です。これを、毎回平均して20~30ページずつですかね、それぞれ予習してきて、担当者がレジメをきってきて、担当者の進行のもと、みんなであーでもないこーでもないと議論するわけです。

結局僕は3年間参加しましたが(つまり、『資本論』の1巻だけ3回読んだことになります)、メンバーは多いときで6人、少ないときで2人でした。

2人のときというのが文ゼミ存続の危機で、現在某大学の法学部准教授をつとめていらっしゃる(らしい)方と、ほそぼそやってました。当時この人は理学部だったはずですが、今じゃ法学部の准教授というのがすごいですね。「頭が良くてしかも変な人」ということではないかと思われます。

法学部といえば、逆に、国立大学の法学部を出て、べつの国立大学の哲学科の院に進み、今、某大学の哲学教授をしているやつもいます。こいつは、高校のときの同級生で友だちなんで「やつ」とか「こいつ」とか呼んでいいんですが、これも変なやつです。何が変といって、シャツをインするんです。いや、10年以上会っていないので最近は知りませんが、Tシャツのすそをジーパン(ジーパンでいいんでしょうか、今はやはりデニムのパンツとか言わないといけないんでしょうか)にインするんです。いやまあ本人の勝手ですけど。この人はテニスが好きで、今でも土曜日になるとFくんという僕と共通の知り合いとテニスをしているようです。このFくんも高校のときの同級生で、かつ大学の先生です。何の先生だったかな、数年前に会ったとき家族療法がどうとか言ってたような。よくわかりません。いずれにせよなんだか知り合いに大学の先生が多いですね。そういえば、つい先日30年ぷりくらいに会ってごはん食べた友人も大学の先生です。オランダに留学したあと消息不明になっていましたが、数年前に希学園のHPで私を見かけてメールを送ってきてくれたんです。「オランダでベルギー人と結婚して娘が二人いるがオランダはレイシスト(人種差別主義者)が多くてやってられんのでわしは日本に帰る、仕事ないか」とかなんとかいう話でした。その後めでたく日本の某大学に職を得ることができたということで、天満の中華料理屋で旧交をあたためました。「そういえばお前、夜中に、耳なし芳一みたく顔中お経だらけにして訊ねてきたことがあったよなあ」「酔っぱらってうとうとしているあいだに寮の連中に般若心経を書かれたんじゃ」なんて話で盛り上がりましたが、この人こそ極めつきの変人で、とてもここには書けない逸話が山盛りです。おもしろすぎるので人にしゃべりたくてたまらないのですが、良識ある社会人として、ここに書くことはできません。無念です。どうしても聞きたい方がいらっしゃったらこっそり私に話しかけてください。とはいえ塾生諸君には教えられませんが。で、この人が僕に彼の出版した本をくれました。『道元「正法眼蔵」現成公案略解』というのです。「お前、インド学専攻だろうが」「いやいや実はわしはだいぶ前に出家をしておってな」と言ってました。難しそうなので読んでいません。シャツをインする彼も出版した本を送ってくれるのですが、難しそうなので読んでいません。この人は大陸系の西洋哲学を研究しているんですが、僕はどちらかというと英米系の哲学に興味があるということもありその点ウマが合わないのでした。

いまやほとんど何の話をしようとしていたのか見失いつつあります。「そば」でしたね。

そうそう、文ゼミの先輩であったY氏(上述の経済学部教授、この人も変わってました、文ゼミの部室の黒板に『少年老い易く老人死に易し』という謎の格言を書いていましたが、今や彼自身が老境に入りつつあります)が、そば好きだったんです。群馬出身でしたからね。で、特別企画として、仙台市内のそば屋を転々とはしごしながら、『資本論』の勉強会をやろうと。「もりそばならおごってやるぜ!」と豪儀なところを見せてくれたんですね。ところが、そば屋のメニューに「もりそば」ってあまりないんです。でも、その先輩いわく「もりそばを出さない蕎麦屋などない!」。確かに、メニューに書いてなくても「もりそば」とたのむと、だまって出てきます。そしてざるそばより安い。海苔はかかってないし、ざるのうえにものっていませんが、そんなの全然OKですよね。しかしそのころから「ざるそば」と「もりそば」のちがいって何なのか、疑問に思っていました。ネットで検索するといろいろ出てきますが、統一基準がどうもないみたいで、いまだによくわかりません。単価を上げるためにざるに盛り海苔をふりかけて高級感を演出しただけではないかとひそかに睨んでいるのですが、私の勘はよく外れると評判なのであてにはなりません。

さて、告知です。

11月27日(水) 上本町のたかつガーデン
12月3日(火)  四条烏丸教室
12月12日(木) 西宮のプレラにしのみやのプレラホール

で、国語の教育講演会を開催いたします。私ひとりに1時間半もしゃべらせてくれるそうです。燃えるなあ。このHPのイベント情報のところに載っています。塾生保護者様もそうでない方もぜひぜひお誘い合わせのうえお越しください。がんばってパワーポイント作ります。よろしくお願いいたします。

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