2009年12月13日 (日)

公開テストの記述採点

本日は公開テストがあり、私も採点に参加してきました。そこで、小5と小6の記述問題について(というかそこで採点した様々な答えについて)の感想など。

まずは小5国語大問[2]。

11  線⑧「石川くんと同じこと」とありますが、どういうことを石川くんは思ったのですか。具体的に説明しなさい。

解答 五時間目の途中に工作室を出ていった小島くんが自分の塾のテキストを盗んだのかもしれないということ。

まあ、「小島くん」が「小鳥くん」になっているとか、「塾」が「熟」になっているなんていうのは想定の範囲内で、具体性に欠けるもの、たとえば「テキストがなくなったのは小島くんが原因だ」「テキストがなくなったことに小島くんが関係している」なんていうのも、よくあるパターンでした。

この場面は、

①もともと仲の良かった石川くんと小島くんが何らかの理由で仲違いをした。

(おそらく小島くんが公立中学に進学するのに対して石川くんが中学受験をすることが溝ができた原因となっている)

②小島くんは石川くんをずっと無視していた

③石川くんの塾のテキストが教室内から紛失した

というところだったのですが、

意外だったのは、

「小島くんと仲直りしておけばテキストをとられなかった」

というタイプの、なんといえばいいんでしょう、功利的な答えが多かったことです。

文章に即して考えず「自分ならこう感じる」的な答えにしてしまっているのも国語的にはよくないことですが、しかしそれにしても、もう少し意地はないのか? テキストさえなくならなければいいのか? と思ってしまう私でした。

つづいて小6国語大問[2]

5 線④「客のいるときは私の分の半分はハラスに奪われた」とありますが、このときの筆者の、二つの思いがまじった心情を「~という気持ち。」につながる形でわかりやすく説明しなさい。

解答 ビフテキを半分もとられるのは残念だが、客から受け取らないのはハラスが自分たちをしたっているからだとわかってうれしい(という気持ち。)

さて、ここからは、受験生諸君に語るように書くことにしましょう。

塾生諸君、心して読みたまえよ。

1 相変わらずミスが多いな! 

「ハラス」が「ハリス」になっているといったほんとうにうっかりぼんやりなミスが多い! 中には「セレス」という、もはやいったいだれのことやらさっぱりわからないのもあったぞ。

そういえば先日灘中学の過去問演習をしたときに「レノア姫」を「レイア姫」と書いていた者が複数名いたが、入試直前のこの時期に頭の中がスターウォーズでいいのか? 猛省を促したい。

2 極端な表現・ぴったりこない表現が多い! 

かわいがっている犬にねだられてビフテキをとられている場面ですぜ。「にくむ」とか「腹立たしい」は明らかに言い過ぎだろう。本文中にはっきりと書かれてはいないが、筆者の様子を思いうかべるならせいぜい「苦笑」といったところだ。当然心情表現も「残念」「困った」くらいにしておくべきではないかね。

ふだんぴったりの言葉をさがしてしゃべろうという努力を怠っているから、いざというときに出てこないのだよ。これは意識していれば一か月でも結構上手くなるものだから、今から意識せよ。

3 訊かれたことにちゃんと答えなければならない! 

「二つの思いがまじった心情」を問われているのだ。「心情」「二つ」答えなければ当然ペケだよ。

ところで、こういう表現は心情を答えたと言えるだろうか?

①「なぜ自分のものをとるのだろうかという気持ち」

②「利口な犬だという気持ち」

①も②も文末表現は「気持ち」になっているよね。しかし、これはあまり良い答えではないな。

①は「疑問」をあらわしているから、確かに心情といえなくはない。①を次のようにリライト(書きかえること)すれば、それはよりはっきりする。

①A「なぜ・・・だろうかと不思議に思う気持ち」

しかしだ、この表現自体には、「自分のものばかりとられる」ことに対する気持ち、それをプラスととらえているのかマイナスととらえているのかが書かれてないんだな! もちろんなくてよい場合もある。けれど、今回はそうではなかったね。だいたい「二つの心情・・・」なんて訊かれたら、たいていはプラスの気持ちとマイナスの気持ちでさあ。

②も同じ。「利口なやつだ」というセリフがあったとして、ここにこめられた気持ちはプラスとマイナスの両方ありうるでしょ。そういうことをはっきりさせないと、心情表現としては不十分なのだよ。

以上3点、6年の諸君に申し渡しておきたい。よろしく。

2009年12月12日 (土)

ハチマキについての考察

希学園といえば入試対策、入試対策といえば希学園。12月からいわゆる「入試対策期間」に突入し、6年生対象の授業では必ずハチマキをしめています。

ハチマキで頭をギュッとしめると気持ちが引きしまってなかなかいいのですが、問題は授業後です。

子どもたちの引率をするときにハチマキを外すとこんな 髪型に・・・・・・!

Photo

ま、べつにいいんですけどね。

2009年12月 5日 (土)

①Nの家庭学習用教材

6年生は入試対策第Ⅰ期が始まっています。

①Nコースでも国語の新しい家庭学習用テキストが配付されました。その名も「入試対策第Ⅰ期家庭学習用テキスト」。これまでに配付されたテキストのタイトルに比べるときわめて地味、というか、そのまんまです。

これまでは、「語句砂漠」「語句山脈」といった探検系のネーミングを採用したり、「語句問島(ごくもんとう)の恐怖」「語句空(ごくあく)魔王の長城」といったダジャレ系タイトルに走ったり、まあいろいろ工夫してきたわけですが、年も取ったことですし、さすがに恥ずかしくなってしまいました。

しかし、いざ配ってみると、うーんやはりちょっと物足りない。怪しいタイトルや表紙の謎の写真といった目先のことにだまされ、テキストのぶあつさにも気づかずやいのやいのと騒ぐ子供たちの姿が好きだっただけに……。

入試対策第Ⅱ期はどうしようか、現在検討中です。

さて、今日から何回かに分けて、これまでに家庭学習用テキストの表紙を飾った何枚かの写真を紹介してみたいと思います。

第1回は「入試対策第Ⅰ期①Nコース家庭学習用テキスト」です。

P1030801

氷ノ山(兵庫)に2月に登ったときのもので、向かって左の青いのが私、右のオレンジが算数科の横川先生です。「頂を望む渋いアルピニスト」のつもりでしたが、このわざとらしい感じがたまりません。ちなみにカメラマンは国語科の吉田先生でした。

このあと山頂を目指すはずでしたが、きれいな雪の上でのんびり飲み食いしているうちに時間がなくなってしまい、あっさり撤退して温泉に行った希学園山岳部でした。

2009年12月 1日 (火)

よろしくお願いします

希学園国語科では、ついに、自らの熱い要望にお応えしてブログを開設する運びとなりました。その名も「国語まにあっくす」です。

この書き出しから想像されるように、重要な伝達事項のようなものはここには一切載りません。
進学説明会や教育相談、入試分析会などでお話しするような、真面目な「勉強方法」や「文章の読み方」「記述に強くなる方法」もなし。
基本は雑談です。季節の話や読んだ本の話、映画や音楽、講師の趣味の話もあるかもしれません。
もっと真面目な(勉強に関する)内容がお知りになりたい方は、
1 進学説明会で
2 教育相談で
3 いつでも電話で
お話しいたします。塾外の方はぜひとも入試分析会のようなイベントにお越しください。
また、HPで近日公開予定の「希の国語(仮)」でも詳しい学習方法・希の指導理念などをご覧になれます(そういう予定です)。
ただし、このブログでも、補足的なことや裏技、現場の声(ちょっと気付いたこと)のようなものはこっそり紹介するかもしれません。

更新は不定期に行いますので、ときどきのぞきにきてください。週に一度は必ず更新します(たぶんもっと頻繁に更新できると思いますが、ちょっと控え目に。国語科は控え目な人間が多いので)。

それではよろしくお願いします。

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